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氷心玉壷


表紙の詩


滾滾長江東逝水 浪花淘盡英雄


好きな詩の一節を表紙に掲載し(ちょっとキザに)、ときたま気のむくままに中身を入れ替えます。
今回は「三国演義」冒頭の詞です。訳文は、小川環樹訳「三国志」(岩波文庫)より拝借しました。



滾滾長江東逝水
浪花淘盡英雄
是非成敗轉頭空
青山依舊在
幾度夕日紅
 
白髪漁樵江渚上
慣看秋月春風
一壺濁酒喜相逢
古今多少事
都付笑談中

 
たぎりながるる長江の東に下る水の上、
うたかたに浮かびて消ゆる英雄のかず。
世に栄えしも敗れしも頭をめぐらせば空しくなりぬ。
青山は昔のままに、
いくたびすぎし夕日の紅くれない
 
白髪のおきな江かわのなぎさに漁すなどりして、
秋の月春の風も見すぐしなれつ。
一壺ひととくりの濁れる酒に友を迎え、
古今の故事ふるごとそもいかばかり
みな笑談のたねとはなしぬ


小川環樹訳「三国志」(岩波文庫)
この詞の原文は、明の楊慎(1488〜1559)の作とされる「二十一史弾詞」の第三段「説秦漢」のはじめにのせた「臨江仙」の歌詞と完全に一致する。 おそらく毛本の作者が二十一史弾詞から盗んで用いたものと想われる。

かつてNHKで放映されたことのある、中国中央電視台制作の「三国演義」では、オープニングで長江の雄大な流れをバックにしてこの詞が力強く歌われておりました。




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