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氷心玉壷


渡辺睦子「マンガ能百番」



観世流の大槻文蔵さんから「いかがでしょうか」と渡辺睦子さんの原稿を見せていただいたとき、いっぺんに「これはすごい」と思った。能の本質を見抜いている人だと思った。
               ・・・増田正造氏のまえがきより



著 者  渡辺睦子
解説者  増田正造
発行所  株式会社平凡社
発行日  昭和61年6月20日
定 価  980円
 
この本を購入したのは昭和61年のことでした。それ以来この本のファンになってしまいました。
まえがきで増田正造氏が絶賛されていますが、ともかく面白く、謡曲を始めたばかりのひとにとって、これぐらいぴったりとした入門書はない、どころか、かなり年季の入った者にとっても、ひと味違った発見があると思います。こういうものは、できるだけ多くの方に共有していただければと思い、このホームページの「謡曲の統計学」の一項としてテスト的に3曲だけ掲載いたしました。
さて、著者渡辺睦子さんのご了解を頂戴するための経緯については別途申し述べますが、渡辺さんより、引用については平凡社に確認されたしとご連絡があり、平凡社にお尋ねいたしました。 その結果、ホームページへの掲載については一切お断りをしている、との回答でした。したがってこのホームページで具体的な内容をご紹介することが不可能となりました。
そのような次第で「謡曲の統計学」に掲載しておりましたマンガの部分は取り下げ、このページで本書の概要のご紹介のみをさせていただきます。
本書は能一曲を12コマのマンガで表現していますが、その内容がユニークで意表をついた発想がたまらなく面白い。
シャーロック・ホームズになった独武者が土蜘蛛の血の跡をたどって行ったり、俊寛の眺めている赦免状が大学の合格発表であったり、紙芝居で山廻りを語る山姥が登場したり・・・・。
現在残念ながら入手がやや困難になっていますが、古書ナビ等を通じての入手は十分に可能だと思います。謡曲を愛好される方には是非一度お目通しいただきたい一冊ではなかろうかと思っております。



  謝 辞
今般、この「マンガ能百番」をホームページに掲載する試み(結果としまして成就しませんでしたが)については、多くのみなさまのご協力を賜りました。 掲載については、先ず著者である渡辺睦子さんのご了解をいただく必要がありますが、ご本人にご連絡する手段がありませんでした。 同書のまえがきにあった「大槻文蔵さんから・・・」を手懸りに、厚かましくも大槻先生に事情をご説明し、渡辺睦子さん宛ての依頼文(宛名の住所未記入の封書)の転送をお願いいたしました。 あまりにも厚顔な依頼でもあり、また大槻文蔵先生が現在でも渡辺さんと親交がおありである可能性も薄く、半ばは諦めておりました。 ところが数日後、私から渡辺さん宛ての封書が、郵便局より「転居先不明」として返送されてきました。表には住所を記載していただいてありましたが、転居される前のものだったのでしょう。 残念ではありましたが、関西能楽界の重鎮である大槻先生が、私のために仲介の労をとってくださった事実に、本当に感動いたしました。
ただ、やはり渡辺さんとの連絡がとれない状態です。そこで次は渡辺さんのご出身の武庫川女子大学の能楽部に同様の依頼をいたしました。 その返事を待っているところで、まったく世の中は狭いものだとよく言われますが、友人とホームページでの「マンガ能百番」の話をしているのが、偶然にも武庫川女子大学の能楽部のご出身の方のお耳に入り、 さっそく渡辺さんにご連絡をいただいた次第であります。
渡辺さんより、出版社と連絡をとるようにとの指示があり、平凡社のご担当の方をご紹介していただきました。 平凡社との折衝結果は上記記載の通り、ホームページへの掲載についてはお断りをしているとのことでありましたが、ご担当の方もご多用にもかかわらず、極めて懇切丁寧にご対応いただき、また何かとご教示を賜りました。
ホームページでのご紹介を断念せざるを得ないことは誠に残念ではありますが、それよりもたかが一個人の趣味のために、多数のお忙しい方々のご協力を頂戴したことが、私にとっては本当に嬉しく、 いい思い出として残ることと存じます。
このたびは誠にお手数、ご迷惑をおかけいたしました。お詫び申上げると共に、心よりお礼申上げます。


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