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 気まぐれ紀行の先頭
こてこて大阪再発見


こてこて大阪再発見 2015.5.29
 ≪とんぼりリバークルーズとあべのハルカス≫

 南海泉佐野駅出発 11:00
          12:15 ~ 12:50 中之島漁港
          13:10 ~ 14:30 ハートンホテル(ランチバイキング)
          14:45 ~ 15:15 中之島バラ公園
          15:30 ~ 17:30 とんぼりリバークルーズ、道頓堀界隈散策
          18:00 ~ 20:00 あべのハルカス
 南海泉佐野駅帰着 21:40



 定かに覚えていないのですが、5月に入ったばかりの頃だったと思います。朝刊の折込チラシの中から、読売旅行が企画する“こてこて大阪再発見 あべのハルカス地上300m「夜景×3Dプロジェクションマッピング」”という大層長い案内を、かみさんが見つけ出しました。
 これは大阪の泉州地区の読売新聞購読者を対象とした企画で、過去にも「関空からチャーター便で行く、利尻・礼文の旅」や「与那国・西表3日間の旅」、行ってみるとすでに紅葉は終わっていた「紅葉の大台が原1日ハイキング」、あるいは、桜の開花には少し早かった「京都御所春季一般公開と世界遺産二条城・桜の嵐山」などなど、我が家での人気は高くよく利用しているものでした。かみさんは、あべのハルカスの最上階には昇ったことがないので、ぜひ行ってみたいと大いに乗り気です。私はと言えば、高所恐怖症のため高いところは大の苦手ときております。おまけに、ハルカスのすぐ近くにある大阪市立大学の附属病院に最近入院したこともあり、現在も術後の検査・治療のため半年ごとにハルカスの足元を通過している手前、あんなとこなど行ってもしょーもないや、と思ってはいるものの、かみさんに異を唱えるほどの度胸があるわけもありません。あべのハルカス大いに結構と、話はまとまり、かみさんが早々に手続きを済ませた次第であります。
 旅行代金の振り込みに際し、一人当たり500円で傷害任意保険がかけられるとのことで、どないしょ~とかみさんから相談がありました。そんな300mもあるようなビルは、途中からポキンと折れるかもしらへんで、おまけにゴジラでも出てきたら、大阪城より先にこっちに来るで。と、わけのわからぬ(和気清麻呂)理由で保険に加入した次第です(ほとんどアホですね)。

 さて、出発当日の5月29日、最初の目的が大阪市内のホテルでのランチということなので、11時という、かなりゆったりとした集合時間となっています。15分前くらいに集合場所に赴きますと、バスは到着しており、すでに4組ばかりのペアが乗り合わせております。時間ギリギリに当地での最後の客が到着し、次なる集合場所である南海・岸和田駅に向かいます。かみさんの話では、座席は申込み純なので、我々はかなり前方の席であろうとのことでしたが、実際には後ろから2番目の席。チラシを見てすぐに申し込んだんやのに、みんなどんなタイミングで申し込んだんだろうと、かみさんは不審がっておりました。


泉佐野からバスに乗り込む

 20分弱で岸和田駅に到着し、ここで数組のペアが乗車しました。一組の老夫婦は我々のすぐ後ろの席、右隣のひとつ後方には女性の二人連れが着席したのですが、この二組とも結構しゃべります。特に女性のペアは、よくもあれだけ話題が尽きないものだと感心するくらい、次から次へと、くだらぬ話が続きます。気短かの私はさて置きかみさんまでも、よくあんなにしゃべる種があるねぇ、と感心する始末でありました。このペア、本日最後まで、至るところでしゃべり続けておりました。
 次の集合場所である南海泉大津駅にも20分ほどで到着、ここで全体の半数ほどが乗り込み、総勢32名が揃いました。やがて、高速湾岸線へと上がり大阪市内を目指します。

 道路は混雑もなく順調に大阪市内へと入って行きます。ところが順調すぎても困ったようで、このままでは昼食バイキングの予約をしているホテルに早く着きすぎるようなのです。添乗員の提案で、午後に行く予定であった中之島漁港に先に行くことになりました。高速道を下り、中之島漁港には12時15分ころの到着でした。


《中之島漁港からハートンホテルへ》
 中之島漁港は大阪中央卸売市場とは安治川を隔てた南岸に位置しています。白いドームのような小さな建物と、テント張りの食堂のような設備(テントの下に机と椅子がずらりと並んだ)がある、いささか殺風景な景色でありました。


中之島漁港

バーベキュー場かな?


 “中之島漁港”というものの、始めて耳にする言葉です。ネットを通じて簡単に調べてみました。以下は“中之島漁港”の公式サイトからの抜粋です。

 「活魚にこだわる都会の中の漁港」をキャッチフレーズとして、港町同様の鮮度を保つため、活魚車を使って産地から活きたままの魚介類を運びこむもので、本年の2月18日にオープンしました。メインとなる販売所では、毎日全国から旬の鮮魚が「活魚」の状態で入荷され、都会にいながらにして漁港と同じ品質の新鮮な魚が並び、そのまま飲食店へ。産地からの恵みをダイレクトでご購入することができます。
 また、隣接する施設として“中之島みなと食堂”があり、その場で新鮮な魚を食することが可能です。鮮魚を浜焼きでお楽しみいただける浜焼きバーベキュー場も併設しています。

 テントの中に設置された生簀では、タイやアジなどが勢いよく回遊しております。連日かなりの人出で賑わっていたようですが、われわれが訪れた時は、人影もまばらで閑散とした状態でした。市内の料理屋などが利用しているのでしょうか。時間帯がよければバーベキューなどで海の幸を食したかったのですが、如何せん食事前、何も買わずに再びバスにと戻った次第です。

 ツアー参加者にとってこの中之島漁港はあまり人気がなかったようで、皆さん早々にバスに引き揚げます。添乗員のお嬢さんとしては、ここでもう少し時間を潰したかったようなのですが、仕方なくバスを出発させます。


ハートンホテル西梅田

ガーデンカフェ


 今回のツァーのランチは、西梅田のハートンホテル西梅田になっています。大阪中央郵便局の真後ろに立つホテルに到着したのが1時少し過ぎ、待つこともなく食事会場であるガーデンカフェに案内されました。
 このホテルのランチバイキングでは、自家製のクロワッサンが人気商品とのことで、確かに焼きたてのパンはなかなか美味ではありました。ただ、料理の置かれているスペースが狭く、我々のような団体客が入場すると押すな押すなの状態となり、いささか興ざめではありました。
 この地域はオオサカガーデンシティと呼ばれるようで、平成に入って再開発されたようです。当ハートンホテルをはじめ、ホテルモントレやザ・リッツ・カールトン大阪、ハービス大阪などの高層ビルが立ち並んでいます。
 1時間余りのゆっくりとした昼食時間が終わり、中之島のバラ公園へと向かいました。


《中之島バラ園》
 バスは梅新から御堂筋へと抜け、北浜の土佐堀通りを堺筋に向かいます。高速道を下りたあたりでは、どこを走っているのかよく分からなかったのですが、このあたりまでやって参りますと、かつて現役時代によく歩いていた場所だけに、懐かしさが込み上げてまいります。
 右手にかつての大阪証券取引所を見て、堺筋を少し過ぎたところでバスは停車し、ここからバラ公園へと向かいます。


北浜の旧大阪証券取引所

難波橋のライオン


 大阪証券取引所といいましたが、現在は大阪取引所へ組織変更されています。2013年7月16日、大阪証券取引所の第一部・第二部・ジャスダックの現物市場を東京証券取引所へ統合し、金融派生商品特化型の取引所となったようです。
 大阪取引所の対面の大川にかかるのが“難波橋”。橋の南詰めおよび北詰めには、最上級の黒雲母花崗岩を素材にした、天岡均一(あまおか・きんいち)の手になるライオンの石像が左右両側に設置されています。そのためこの橋は“ライオン橋とも呼ばれています。
 橋の中央あたりから、中之島公園に下りる階段があり、そこが中之島公園のバラ園です。


難波橋から中之島バラ園を望む


 バラ園は2009年にリニューアルされ、公園の中央に東西約500m、面積約1万3千平方メートルにわたって、約310品種、およそ3700株のバラが咲き誇るようです。ところが我々が訪問した時期は、すでにその盛りを過ぎており、若干淋しげな風情となっておりました。
 以下撮影したに園内のバラを数葉掲載します。


 


 


 


 


ばらぞの橋

大川をゆく遊覧船


 30分ばかりバラ園に遊び、再びバスに乗り込みます。バラの盛りであればさぞ見事なものであったでしょうが、少しばかりの時期外れ、いささか残念ではあります。まあ、そんなことはよくあることで、仕方の無いことなのですが、それにしても隣の女性のよくしゃべること、しゃべること。おまけに後ろの席の男性が奥さんにしゃべっているのが、知識をひけらかしている感じで耳につきます。あーぁ、耳栓でも用意しておけばよかった。
 そうこうするうちバスは松屋町筋を南下し、千日前通でUターンして堺筋の日本橋(道頓堀にかかる橋の名前です)に停車、ここでバスから降ろされ“とんぼりリバークルーズ”に向かいました。


《とんぼりリバークルーズと道頓堀界隈》
 堺筋から道頓堀沿いにあるいて“ドン・キホーテ”の前にある船着き場までやってきました。ここに4時20分に集合、それまでは自由行動とのことですが、まだ50分ばかり時間があります。かみさんと道頓堀でもぶらぶらすることといたしました。


戎橋から道頓堀を望む


 通常“どうとんぼり”といいますと、道頓堀川かその南にある道頓堀通の繁華街を指します。以下、道頓堀川についての Wikipedia の記述です。


 道頓堀川は東横堀川の南端から西流して木津川に合流する全長約2.9kmの河川で、慶長17年(1612)に南端が堀止になっていた東横堀川と西横堀川を結んで木津川へ注ぐ堀川の開削が開始され、摂津国住吉郡平野郷の安井道頓(成安道頓)が新川奉行に任命された。しかし、大坂の陣で道頓が戦死したため、従弟の安井道卜(どうぼく)や安藤藤次(平野藤次)らが引き継ぎ、元和元年(1615)に完成した。当初は新堀・南堀川・新川などと呼ばれていたが、大坂城主の松平忠明が道頓の死を追悼し、また、相当な私財が投じられたことや功績を鑑み「道頓堀」と命名した。


安井道頓・道卜紀功碑

 堺筋の日本橋北詰交差点北東角に安井道頓・道卜紀功碑が建立されています。
 道頓堀川の日本橋から浮庭橋に至る両岸には遊歩道が設けられており、とんぼりリバーウォークと呼ばれ、道頓堀や宗右衛門町の繁華街を川岸から楽しむことが可能になっています。私の若いころの道頓堀はきたない川の代名詞のようなドブ川でしたが、水質改善に向けていろんな試みがなされ、近年では水質は大幅に改善され、かなりきれいな川に変貌しつつあるようです。


グリコの大看板

道頓堀の繁華街~かに道楽


 集合時間まで小1時間の余裕がありますので、道頓堀をぶらつくことにいたしました。遊歩道から戎橋に上がった途端、わけのわからぬ言葉の渦の中に飛び込んだ感があります。大そうな人ごみで外国人も結構目につきます。老若男女ならぬ邦異男女・貴賤都鄙が色めく有様です。かみさんが「ここはひっかけ橋言うんやね~」と妙に感心したようにつぶやいておりました。
 戎橋の南西側にグリコの看板を久しぶりに見ましたが、以前は橋の北東側にあったと思いましたが、記憶違いだったようです。
 ここ戎橋といえば、もう30年ほど前になりましょうか、思い出すのが阪神タイガースが優勝した時に阪神ファンが川に飛び込んだ事件(?)です。今でこそ道頓堀はかなりきれいになっていますが、あの頃はヘドロの溜まった川だったと思います。
 阪神タイガース優勝にちなむものとして、狂喜した阪神ファンがケンタッキー・フライド・チキン道頓堀店の店先にあったカーネル・サンダース像を、道頓堀に投げ入れた事件がありました。その因果で翌年以降の阪神タイガースは弱体化し成績は低迷しました。これが世に名高い“カーネル・サンダースの呪い”でありました。
 戎橋を渡り道頓堀通の繁華街に足を踏み入れますと、最初に目に入るのが“かに道楽”のでっかいカニ。ごった返す通りを進むと“づぼらや”や“がんこ寿司”、“くいだおれ”などの看板が目を引きます。“くいだおれ”の店頭に、名物“くいだおれ太郎”の姿がなかったので、どうかしたのかなと心配していると、少し先の“中座くいだおれビル”の入口に“くいだおれ太郎”を発見、なんとなく安心した次第です。


くいだおれ(あれ、太郎がいない!?)

くいだおれ太郎(こちらにいたのか)


 かつて、この通りには“道頓堀五座”とよばれる、浪花座・中座・角座・朝日座・弁天座の五つの芝居小屋があったそうです。私が就職して大阪に出てきたのが50年ほど以前になりますが、そのころでも中座と角座は存在しており、何度か漫才などを見に出かけた記憶があります。昭和の末期にこれらの劇場は幕を閉じ、中座のみが“中座くいだおれビル”となってその名を残しています。
 船着き場はドン・キホーテの前に設置されています。ドン・キホーテのことを略して“ドンキ”というそうですが、以前行ったことのあるハンバーグの店が“ドンキ”とちゃーうんか、とかみさんに聞いたところ、それは“びっくりドンキー”やろ、と小馬鹿にされてしまいました。時間があったのでドン・キホーテの店内を覗いてみましたが、狭い通路の両側には商品がうず高く積み上げられ、何がどこにあるのかさっぱり見当がつきませんでした。そんな宝探し的な効果も狙ったものだとか。この店内も心斎橋筋と変わらぬくらいの人ごみです。おまけに聞こえてくるのは声高の中国語とハングル。異次元の世界に迷い込んだようでありました。この店は免税店であるとのことですが、商品の値段は通常より少し高いように感じられます。免税店なので、そのような価格設定にしているのでしょうか。ただこの店名は、セルバンテスの小説とどんな関係があるのでしょうか?


とんぼりリバークルーズの遊覧船

リバークルーズ乗船券


 繁華街をブラついて(“とんブラ”とでも言うのでしょうか)東の太左衛門橋までやってきました。2~30年前は、よくこのあたりの夜の巷をさまよい歩いたものでした。橋の上から眺めると、船着き場に遊覧船が停船しています。われわれが乗船するのは、この次の便になるのでしょう。
 4時20分に集合、30分に遊覧船に乗り込み、リバークルーズの開始です。ドン・キホーテの前の船着き場から東へ進み、堺筋に架かる日本橋まで行き反転、西は四ツ橋筋の西、なんばハッチ前の浮庭橋で折り返し、ドン・キホーテ前に帰ってくる、20分の遊覧コースとなっています。


とんぼりリバークルーズの運行コース


パンチの効いた案内嬢

前方に堺筋に架かる日本橋


 クルーズのガイドはなんとも元気なお嬢ちゃん。度重なる案内で説明する声もドスが効いており、ノックアウトされそうな感があります。船は堺筋まで東行し、日本橋で折り返し、西に向かいます。
 再び船着き場まで帰ってきてドン・キホーテを見上げましたが、天まで届きそうな店構えです。当店はえびすタワーと呼ばれているそうで、商売繁盛の神である“えべっさん”が、マスコットキャラのペンギンと寄り添っており、その周りを観覧車が取り巻いている様子です。


ドン・キホーテを見上げる

グリコサイン


 戎橋を潜り抜けると左手にグリコの大看板が目に入ります。昨年10月にリニューアルされた6代目の看板だそうで、夜になると点燈され色々なパターンが見られるようですが、今は静かに両手を天に突き上げているだけです。
 この看板は、大阪ミナミを代表するものとしてガイドブックなどでしばしば紹介されており、2003年4月11日には大阪市中央公会堂や港大橋などとともに大阪市指定景観形成物に指定されました。


浮庭橋で折り返し

なんばHatch


 遊覧船は西に進み、浮庭橋のなんばハッチのところでUターンします。なんばハッチは、湊町リバープレイスの3階から6階を占めるライブハウスで、その名称は建物の外観が八角形であることに由来しているとか。


御堂筋に架かる道頓堀橋

心斎橋筋に架かる戎橋


 浮庭橋から深里橋、大黒橋、新戎橋を通過、御堂筋に架かる道頓堀橋をくぐると戎橋に帰ってきました。ここでグリコの大看板を再度ゆっくりと眺め、ドン・キホーテ前の船着き場に帰還、20分のクルーズを終えました。これから5時半まで自由行動となりました。
 自由時間といっても40分ほどしかありません。大丸へでも行ってみるかと、心斎橋の人ごみを歩き始めたところ、ちょうどうまい具合に右手に喫茶店が出現、これ幸いとお茶にすることといたしました。しばらくかみさんとダベっておりますと、同行のツアーのメンバーが2組ほど入店して参ります。どうやら皆さん、時間を持て余している様子でした。
 5時半にドンキ前に再集合、堺筋まで歩き、バスに拾ってもらって、あべのハルカスにむかいます。


《あべのハルカス》
 あべのハルカスは平成26年3月に開業した、地上60階建て、高さ300mの日本で一番高い超高層ビルであり、日本国内の構造物としては東京スカイツリー (634m)、東京タワー(332.6m) に次ぐ3番目の高さとなっています。
 ビルの名称のの「ハルカス」は古語の「晴るかす」に由来しており、「人の心を晴れ晴れとさせる」という意味があり、ビルの上層階から晴れやかな景色を見渡して爽快感を味わえることや、多彩で充実した施設で来訪者に心地よさを感じてもらいたい、という思いが込められているとのことです。


あべのハルカスを見上げる

展望台フロア見取図


 バスは20分ほどでJR天王寺駅の西側、天王寺公園の東側に到着、そこから高架橋を渡ってあべのハルカスに向かいます。2階から直通のエレベーターで16階に上り、ここでも40分ほどの自由行動となります。
 16階は最上階へと向かう中継地点となっていますが、緑に囲まれた屋上庭園があり、外の空気に触れることができる空間となっています。ここからは市内の北部から東部が見渡せます。南東の方向に見えるのは、富田林にあるPLタワーではないでしょうか。
 また、この階には美術館があるのですが、そこでは開館1周年記念と銘打って“金刀比羅宮の宝物”の展示を行っておりました(こんぴらさんと何かご縁でもあるのかな?)。


16階の屋上庭園

PLタワーか(?)


 時間待ちの間にも直通エレベーターで次から次へと観客が上って参ります。ようやく集合時間の7時になり、展望台の専用エレベーターに乗り込みます。動き出すとその早いこと。天井に映る星影のようなものに見とれているうちに、早くも60階に到着しておりました。
 60階は“天上回廊”と呼ぶらしく、中央部分が吹き抜けとなり、ガラスの壁で囲まれた、数メートル幅の歩行エリアが設けられています。
 それにしても結構な人出です。こんなに大勢昇ってもビルが倒壊することはないのだろうかと、小心で高所恐怖症の自身にとっては大いに心配の種となります。南北のガラスの壁を利用して“3Dプロジェクションマッピング”なるものが実演されるのですが、外はまだ明るく、なにやらぼんやりと映し出される画像を見るともなく眺めながら、周囲を一周いたしました。悪趣味なことに、西側の床が数十センチほど透明なガラス床となっています。外部の写真を撮ろうと近づき、思わず身震いした次第です。


北方の遠景


北方の足元の眺め


西方の遠景


西方の足元の眺め


南方の遠景

南方の足元の眺め


 ここ最上階の“天上回廊”エリアは、四方の夜景の眺望と3Dプロジェクションマッピングが売りのようなのですが、どちらも時間的に中途半端です。ヘプバーンの映画( Wait Until Dark:1967 )の如く、日が暮れてあたりがもっと暗くなるまで待てばよろしいのですが、8時にバスへ帰るように指示されています。時間はすでに7時半になんなんとしており、暗闇の訪れを待つ余裕がありません。人ごみに辟易しており、58階にあるレストランで冷たい飲み物を注文し、しばらく時間を潰した次第です。


58階から見上げる


58階のフロア

ハルカスの夜景


 下界に下りて見上げると、あべのハルカスは、その姿を夜空にくっきりと映し出しております。この時間まで頑張れば、お題目通りの素晴らしい夜景が眺められたものでしょう。いささか残念な結果となりましたが、8時前にバスに帰り「地上300mの空」の旅を終えました。
 今回の企画は時間の配分に問題があったと思われます。特にこのあべのハルカス見物が、6時から8時までの2時間弱ではあまりにも短すぎたのではないでしょうか。道頓堀での自由時間をこちらにまわせば、もう少しゆとりのある見物ができたと思われます。また中之島漁港でも、昼食時間との兼ね合いをうまくつけてくれれば、美味しい魚を食せたのではないかと、いささか残念ではあります。すべてが中途半端であったというのが、今回の企画の問題点といえましょう。まあ、時間的にやや難点のあるのが、この読売旅行の企画の特徴である、といってしまえばそれまでなのですが…。ただそれでも、かみさんはまあまあ満足であったらしく、あまり文句も言っておりませんでしたので、よしとすべきでありましょう。
 通常であればバカらしくて、わざわざ見物する気にもなれないような「大阪の名所」ですが、このような企画で改めて“再発見”するのも、またよろしいものかと感じた次第であります。




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  (2015.6.20 記録)



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