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もう４０年ほど以前のことになりますので、ずいぶん昔のことですが、いっとき万葉集に凝っていた時期があります。その時、なにを思ったのが枕詞を集約して、私製の“枕詞辞典”なるものを作成してみよう試み、仕事の余暇に何年かかけて、岩波の古典文学大系『万葉集』と取り組みながら、枕詞を拾い出しました。
先般、４０年間机の隅に眠っていたその資料が、偶然目に留まりました。このまま朽ち果てさせるのも、何やら可哀そうに思われます。そこで臆面もなくこの場に採り上げた次第です。単に枕詞を拾い上げて、その使用例を並べたというだけに過ぎませんが、お目通しいただければ幸いです。
なお、蒐集した語彙のなかには、純粋の枕詞ではなく、むしろ序詞として扱うべきものも含んでおります。その意味では、これは「枕詞のようなもの辞典」というべきかも知れません。また典拠とした資料がかなり以前のものですので、近年新しい解釈が生れているものもあろうかと思われます。この試みに際して、枕詞の語義および使用例は以下の資料によるものです。
高木市之助・五味智英・大野晋「万葉集」岩波書店・日本古典文学大系、1957
佐々木信綱「万葉辞典」有朋堂、1947
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