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春日野謡蹟探訪地図 |
猿沢の池に采女の謡蹟を訪ねた後、奈良公園から春日大社に向かいました。 |
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春日大社一の鳥居 |
鷺池の浮見堂 |
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雪消之沢 |
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『野守』の主人公は“鬼神”です。そして本曲には“鬼神”という言葉が、それこそいやになる程出てきます。以下に、後シテの出から〈舞働〉に至る詞章を眺めてみましょう。 |
後シテ「ありがたや。天地を動かし |
上記の文中に本曲“鬼神”の文字は5ヶ所登場していますが、全曲中に“鬼神”が11ヶ所登場します。そして、ほとんど「キジン」と読むのですが、上記の後シテの出の箇所で、1ヶ所だけ「キシン」と発音します(ここは間違い易いところで、つい「キジン」と濁ってしまいます)。また「キジン」と謡う10ヶ所のうち、フリガナを振らずに「神」に濁点を振っているところが4ヶ所あります。これなど謡本特有の表記かもしれません。 |
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雪消之沢近くの鹿 |
飛火野の大楠 |
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二の鳥居 |
南門 |
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シテ 語「そもそも當社と申すは。 |
参拝所 |
御朱印 |
『春日龍神』は入唐渡天を志す明恵上人が、暇乞いのため春日明神を訪れるところから物語が始まります。 |
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上記の竜神参集の場面を、謡曲は以下のように描いています。 |
地「時に大地。振動するは。下界の龍神の参會か 後シテ「すは。八大龍王よ 地「 |
参拝を済ませ御朱印を頂戴して、本殿から北西の方、水谷神社へと参りました。水谷神社は、謡曲で前シテの〈上歌〉で、 |
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礼拝所から中門を望む |
水谷神社 |
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水谷茶屋の附近の紅葉 |
国際フォーラム甍付近の紅葉 |
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氷室神社 |
拝殿 |
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手水舎 |
「鷹乃井」 |
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南大門への参道 |
中門への参道 |
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鏡池を隔てて中門と大仏殿を望む |
あまりの人ごみに辟易して、大仏殿への入場をあきらめ、大仏殿の右手、鐘楼のエリアへの石段を上りました。この一角は「鐘楼の丘」と呼ばれているそうで、鐘楼を中心に、俊乗堂・行基堂・念仏堂が並んでいます。さすがにここは人影もまばらで、気持ちが落ち着きます。階段を上ってすぐ左手に建つのが俊乗堂です。どこかで聞いたことがあるな~と、のどの奥に引っかかっているのですが、なかなか思い出せません。隣にある納経所で「重源上人」と書かれているのを見て、ああ、勧進帳だったと、やっと胸の支えががとれました。 |
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俊乗堂 |
御朱印 |
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重源上人坐像 |
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鐘楼 |
大仏殿の北西、正倉院の真西の国道369号線に面して、三間一戸八脚門の形式をもつ、堂々とした轉害門(てがいもん)があります。以下は門前の説明書きです |
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転害門 |
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史跡旧東大寺境内 |
矢じり・弾痕 |
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悪七兵衛景清を扱った曲には『景清』があります。本曲が若き日の景清を描いているのに対し、『景清』では、老いてかつ盲目となり、草庵に侘びしく暮らす姿を描きます。この両曲には以下に掲げる「一門の船の中…」の〈上歌〉の一節は、ほとんど同じ詞章・節付となっていますが、わずかに異なるところがあります。 |
上歌「一門の船の |
また、主人公として登場していませんが、『屋島』では、景清の錣(しころ)引きの武勇譚が物語られています。 |
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(平成27年12月 9日・探訪) (平成28年 1月24日・記述) |